2017年10月24日火曜日

Wizardry 外伝 〜戦闘の監獄〜 #Prologue


このタイトルをプレイするためにiPad Proを購入した。
現在iOS上で動作するWizardryは下の2作品がApple Storeで販売されている。

・Wizardry 外伝 〜戦闘の監獄〜 3200円
・Wizardry 外伝 〜慈悲の不在〜 1600円

これらは元々、戦闘の監獄を本編として、慈悲の不在がそれの追加シナリオとして制作されたものであることから実質的にこれらを一本のタイトルとして見るのが正しいのかもしれない。そうなってしまうと僕はこのたった一本のゲームをプレイするためだけにiPad Proを購入したことになるが、後悔はない。

WizardryというゲームはApple制デバイス上で初めて世に出たが、その後に様々なデバイスで制作、アレンジされてきた。その度重なるアレンジを経て作り出された数々のWizardryを目にしたユーザー達は、もはやそれらが過去の傑作とは何ら無縁であるかの如く、原型を留めていないことに落胆した。そしてこの頃からユーザーと制作者達は、よりオリジナルに近づけようと「原点回帰」を求め、謳うようになる。

そして時は流れ現在、界隈では「原点回帰」などという使い古された方便にはもう騙されない。という風潮が、ため息混じりのユーザーと頭を抱える制作者達との間に蔓延していた。しかしこの間に世に送り出された多くのアレンジ製品の中で唯一成功したと言える試しがあったのだ。Wizardry 外伝シリーズである。

元はゲームボーイという古い携帯ゲーム機用に日本人が手掛けたこの外伝シリーズは、この頃からフリーク達を唸らせるに十分な完成度を誇っていた。それがヒットとなり外伝シリーズはしばらくの間ナンバリングタイトルを制作することになる。元は外国から入ってきたWizardryであったが、日本人が制作したWizardryの成功例として、外伝の名を冠するものをフリーク達は日本製Wizardryと呼んだ。

こうしてWizardryは日本人の手によってさらなる進化を遂げてApple製デバイスに帰ってきたのである。Wizardry 外伝  〜戦闘の監獄〜 は原点回帰をベースに現代風に様々なアレンジが施されている。代表的なものでランダムな魔法効果が付与されているマジックアイテムがある。これはこれまで多くの作品で信じられてきた最強の刀である村正よりもさらに強力なアイテムが存在する可能性を与えたのだ。これを受け、最強というものの定義が揺らいだフリーク達の探究心に再び炎が灯ったのである。

探求に終わりがない。これこそがその世界に入り浸っていたいユーザーが望んでいたものの一つであった。僕という人間はまさにその一人であり、目標をどこまでも設定できるこの作品をいつか遊んでみたいと思っていた。しかしOSサポートの寿命を待つWindowsデバイスか取り回しの悪い据え置き型のPlayStation2という媒体でどうしても遊ぶ気になれず二の足を踏んでいた。

この理由が僕にiPad Proを購入させた。よってこの選択に後悔はない。後悔はないのだが、もしも僕と同じ理由で取り回しの良いApple製デバイスでWizardryを満喫したいと思う奇特な人がいたならば(いないとは思うが)注意しなければならないこともある。

それはiOS11という存在だ。今後iOS上でWizardryを遊びたいと考えているのならばiOSをアップデートしてはならない。なぜならiOS11は古い32bitで作られたアプリケーションを起動できず、64bitアプリケーションの起動しかサポートしていない。そして今現在Apple Storeで購入可能なWizardryはいずれも32bitアプリケーションであるため今時点での購入は可能だがiOS11での起動はできない。

さらに言うと今後、Wizardry開発元が64bitへの対応をしなかった場合、iOS11で起動できないアプリケーションを4800円も出費して購入したiOS11ユーザーは、金をドブに捨てさせるこの所業を許すはずがない。すでにiOS11がインストールされているデバイスでApple Storeを覗いているユーザーがいる以上、この問題は遅かれ早かれ解決されることになるだろう。解決策は64bitへの対応か、Apple Storeからの削除だ。

僕は前者の解決策を切望するが、それが難しいことは理解している。なぜならこのアプリケーションは買い切りタイプの販売方法を取っており、パズドラやモンストなどのように継続的に課金してもらえるわけではない。制作側が64bitに対応するための制作費を誰が払ってくれるのだろうか?アップデートによる見返りが少なすぎる。僕の場合は、一度購入してしまえばネットへの通信も課金も必要とせずに遊び続けられる買い切りタイプのアプリケーションばかり購入しているが、こういったOSのサポートが終了することは避けて通ることができない道と受け入れて購入している。

故に僕のiPad ProはWizardry専用機であり、今後何らかの理由でこのアプリケーションが64bitに対応しない限り、iOSのアップデートは行わないと決めている。もし今後もそれを理由にiOSのアップデートを避け続けていくならば、最終的にこのiPad Proはオフライン運用の携帯ゲーム機に成り下がることも考えられる。そのくらいの覚悟はしている。これが唯一にして最大のデメリットである。以上の理由から、もし今後iOS上で動作するWizardry外伝を購入する予定がある人がいたならばApple Storeでの取り扱いがなくなる前に早めの購入をお勧めします。

ということで長くなりましたが、僕のWizardryを愛する気持ちは伝わったことと思います。この気持ちを異常とさえ感じる方も稀にいらっしゃいますが、何かのファンとは得てしてそういうものだと思います。Wizardryを探求することは何も急ぐ旅じゃありません、ゆっくりと煙草の煙を燻らせるように味わいながら、僕なりにこれと定めたWizardryを攻略していこうと思います。

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